アフィン対合(Wikipedia英語版より翻訳)

ユークリッド幾何学で興味深いのは、ユークリッド空間 $ \mathbb{R}^n $ における線形変換アフィン変換としての対合です。その特徴はわかりやすく、幾何学的に説明することができます。

本記事の内容は、Wikipedia 英語版の項目 “Affine involution” を自分なりに日本語に書き直して編集したものです(ただし、内容は保証せず、リンクは一部省略、参考文献は全て省略)。引用ではなく転載に近いものになっています。

同項目はクリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されていて、本記事ではそれを素材として二次利用しています。そこで、同ライセンスの「継承」に応じ、同項目の対訳部分を同ライセンスのもとで利用可能とします。(参考:Wikipedia「Wikipedia:ウィキペディアを引用する」「Wikipedia:ウィキペディアを二次利用する」)

線型な対合

ある線形な対合を与えることは、ある対合行列(英語版、本ブログでの翻訳)、すなわち
$$ A^2 = I $$
を満たすようなある正方行列 $ A $ を与えることと同じです( $ I $ は単位行列)。

ここで、主対角線上の成分に $ \pm 1 $ をもち、それ以外の成分が $ 0 $ である正方行列 $ D $ 、すなわち、
$$ D = \begin{pmatrix} \pm 1 & 0 & \cdots & 0 & 0 \\ 0 & \pm1 & \cdots & 0 & 0 \\ 0 & 0 & \cdots & \pm 1 & 0 \\ 0 & 0 & \dots & 0 & \pm 1 \end{pmatrix} $$ の形式をもつ signiture matrix(英語版、本ブログの別記事での訳注)が上式を満たすことはすぐに確認できます。つまり、この行列は線形な対合を与えます。これによって、上式を満たす全ての行列は正則行列 $ U $ を用いて、式
$$ A = U^{-1} D U $$ の形で表現できます。言い換えれば、線形な対合を表す行列は、行列の相似による違いを除けば全て $ D $ の形式をもつのです。これは幾何学的に見れば、どんな線型の対合も 0 以上 $ n $ 以下の回数だけ、原点を通る何らかの超平面に対して oblique reflecitions(英語版)を行うことで得られることを意味します。(ここでは oblique reflection を通常の鏡映を含む意味で使っています。)

訳注: “oblique reflection”

鏡映 (reflection) について通常なら垂線を使うところを斜線にしたものです。 “oblique” は「斜めの」の意味。直交座標ではなく斜交座標で考えたり、鏡映の後にせん断を加えたと考えれば分かりやすいかも。鏡映の後に並進する映進(英語版)とは異なります。対応する日本語はわかりませんが、敢えて訳せば「斜交鏡映」? なお、斜交行列は “symplectic matrix” 。

$ A $ が線型な対合を表すのは、 $ A $ が線型な射影 $ P $ を用いて
$$ A = \pm(2P – I) $$ の形式をもつ時かつその時に限ることは、容易に確かめられます。

アフィン対合

$ A $ が線型な対合を表すとき、 $ x \mapsto A (x-b) + b $ はアフィンな対合です。どんなアフィン対合でもこの形式をもつことは確認できます。これは幾何学的に見れば、どんな線型の対合も 0 以上 $ n $ 以下の回数だけ、点 $ b $ を通る 0 以上 $ n $ 以下の超平面に対して oblique reflecitions を行うことで得られることを意味します。

アフィン対合は、複数の不動点をもつアフィン空間の次元により分類できます。これは相似な行列 $ D $ (上記を参照)において値が 1 である対角成分の個数、すなわちに固有値 1 における固有空間の次元に対応します。

3次元のアフィン対合には次のものがあります:

  • 恒等写像
  • ある平面に対する oblique reflection 。
  • ある直線に対する oblique reflection 。
  • ある点に対する鏡映。

等長な対合

固有値 1 における固有空間が、固有値 -1 の固有空間の直交補空間である場合、すなわち全ての固有値 1 に対する固有ベクトルはどんな固有値 -1 の固有ベクトルとも直交する場合、そのようなアフィン対合は等長写像です。このことが常に当てはまる二つの極端な例として、恒等写像点に対する反転があります。

等長である対合は他にも、線に関する(2次元や3次元やそれ以上。2次元では鏡映で、3次元では直線の周りで180°回転)や、平面に関する反転(3次元やそれ以上。3次元では平面上の鏡映)、3次元空間内での反転(3次元。恒等写像)、などがあります。

カテゴリ

アフィン幾何学

以上で Wikipedia の項目 “Affine Involution” に対応する内容は終わりです。

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